2010.9.28[Tue]
「個展終了」
ホテル ニューイタヤにおける「実存ー内奥に谺する歪み」が終了。今回もまたさまざまな出会いのある展覧会となったことに感謝致します。
改まって言う話ではないが、私は非常に弱さ、脆さを多く併せ持つ人間であり、制作において悩み孤独を感じることが多い。そんな中、人々の親切は本当に心に沁み入るものがあり、多くの方々に支えられていることを改めて痛感するのだ。
今回たまたま出品した作品の中に大天使ミカエルをモチーフにしたものがあった。ミカエルは聖女カトリーヌ、聖女マルグリートと共にジャンヌ・ダルクに神の啓示を与えた存在。今日初めて知ったことだが、カトリック教会ではミカエルは明日9月29日が祝い日になっているようである。常に私を勇気づけてくれ啓示を与えてくれる存在。でも、それは決して「天使」などのような偶像ではなく、私の身の回りに本当に存在するのであって、常に太陽のようにあたたかく明るく慰めてくれているのだ。私は本当に幸せ者なのである。
みなさまに感謝を込めて。

2010.9.4[Sat]
「個展のお知らせ」

珈琲アトリエ「アズ」での個展の余韻が冷めぬまま、下記の予定で個展を開催致します。
今回はマングースの全身骨格を使ったオブジェをはじめ、近作・旧作を合わせて発表予定。人間存在の内奥に「実存」をみたサルトルへのオマージュである。それにしても「実存主義」というやつ、何故か芥川龍之介の『蜘蛛の糸』と鴨居玲の黒々と引きつった作品がふと頭をよぎる。蜘蛛の糸につかまり上へよじ登ろうとする犍陀多(カンダタ)は、まさしく今の自分自身なのではなかろうか。

佐々木 岳久展「実存ー内奥に谺する歪み」

ホテル ニューイタヤ・本館 1階 玄関ホール
栃木県宇都宮市大通り2-4-6
TEL.028-635-5511(代)
http://newitaya.com

9月17日(金)〜9月26日(日)
9:00〜18:00 (最終日のみ16:00まで)

2010.9.3[Fri]
「個展終了」
久々のメッセージ更新である。酷暑の中、珈琲アトリエ「アズ」での約1ヵ月にわたる個展「変容ー実存の危機と深潭を踏みこえて」が終了。今回もまた、たくさんの方々が来てくださったこと、この場を持って感謝致します。遠方にも関わらずわざわざ駆けつけてくださった方、何度もご来場いただいた方も多く、頭が下がる思いである。
今回は5月のユニグラバス銀座館での個展とはまた違った意味でさまざまな方のお力添えをいただき、自分ひとりの力では到底成し得ないものになった。
まずはご夫婦で友情参加してくださった松澤淳志氏・三恵子氏。淳志氏にはBGM選曲で緊迫感ある空間演出、三恵子氏には一見臓器を思わせるようなボックスフラワーアートでそれぞれ華を添えていただいた。ちなみに夫妻とは5月の個展で知り会ったばかりであるが、数十年前からお互いを知るような錯覚を覚える。まさに「運命の出会い」というやつか。
また、今回は素晴らしいコンサートが開催されたことも特筆すべきこと。演奏の息づかいを肌で感じた楽しいひとときであった。コンサートを企画してくださったミュージック・ハーツの金子ヨリ子氏、出演してくださった山本有紗氏(ヴァイオリン)、高木俊彰氏(チェロ)に最大級の感謝と賛辞を送りたいと思う。
そして何よりも酷暑の中、奮闘していただいた珈琲アトリエ「アズ」の佐久間厚子氏。普段の業務でお忙しい中、私が不在なことが多くご迷惑をおかけしたことと思うが、持ち前のバイタリティーで成功へと導いてくださったことは流石としか言いようがない。ただただ感服するのみである。
いずれの方々も本当に良き出会いであり、非常に大きな刺激を与えてくださった。
この思いを胸に今月、宇都宮のホテルニューイタヤでの個展へと突入する訳だが、詳細はまた後程お伝えしたいと思う。

話は変わるが、来年1月に中浦和の「ギャラリー健」においても個展を開催予定であるが、もう既にテーマを打ち出しており、松澤淳志氏にBGMを依頼し既に始動している。彼は私がテーマを提示しただけで全てを理解し期待以上の物を打ち出してくださる私が最も尊敬する人物のひとりであり、今後の私の発表において欠かせない重要な存在。今後、彼にも是非ご注目いただきたい。
ちなみに、まだまだ先の話ではあるが「ギャラリー健」での個展のテーマをこの場で紹介しておきたいと思う。今後ブラッシュアップする可能性はあるが、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』のある場面から触発されたものである。

「アルベルチーヌの置き手紙に隠された秘籥の嘘」
観念の黒い影の不在…トゥーレーヌで息絶えた細かな真実の断片と嘘の事実の無数の錯綜

このテーマの中で既に松澤氏は「イメージの奔流」を体験された模様。先日、彼が見せてくれたメモ書きの一部である。
大野一雄の代表作「ラ・アルヘンチーナ頌」、ヴィスコンティの「ベニスに死す」、トーマス・マン、Antony and the Johnsonsの「Crying Light」、ダリオ館、水没=ドビュッシー「沈める寺」、ギャビン・ブライヤーズの「タイタニック号の沈没」、井上陽水の「積み荷のない船」、フランシス・ベーコンの影、ジャン・ジュネ、嗅覚による記憶の召還、海馬の鍵…etc.
今、彼の中でどんな泉が滾々と湧き上がり、今後どのように「変容」していくのかは、私も知らない。



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