2011.10.18[Tue]
『個展のお知らせ…ゲニウス・ロキ再び』

さまざまな人とのつながりが「ゲニウス・ロキ」を再び蘇らせることとなった。
これはもう「奇跡」というべきか。
先月、珈琲アトリエ「アズ」で開催した個展。
そこで開催された木村 純氏のボサノバ・ライブ。
その木村 純氏とのコラボレーションが再び実現する。

今回は震災前に制作した「骨」をモチーフとした作品や
震災後に転換を迫られて制作した「母なる海や大地」を連想させる
「女性」をモチーフとした作品を併せて展示する。

震災で多くの知人を亡くした私にとって
「骨」の作品は制作することが出来なくなったモチーフである。
今もそれは変わらない。
だが、それに取り組んでいた気持ちは
決して「死」というイメージではなく
ボサノバの根底を支えている魂「サウダージ」そのものであった。

多くの方のお力添えで実現した珈琲アトリエ「アズ」での個展。
そして木村 純氏と響き合った「サウダージ」の空間と時間は
それを確信したものでもあったのだ。
震災後、7ヵ月の歳月を経てようやく…。

それは…
この世に永続的なものも
頼ることのできる不変の拠り所も存在しない
そんな明らかで疑う余地のない事実によって
意識が貫かれたときに感じる
締めつけられたような心の痛み…なのだ。

今後、私は更に変化をしていくと思う。
さまざまな人の想いを深く噛み締めて。

今回の個展は11月7日(月)〜11月11日(金)
最終日の11日(金)は私自身が震災を通じて見たことや感じたことを
トークショーを通じてお話させて頂きます。

下記、詳細となります。
みなさまにお逢いできることを楽しみに。
天の川輝く故郷の空を想いながら…。

http://www.shiozawa.co.jp/madeira/sasakitakehisakoten.htm
http://www.shiozawa.co.jp/madeira/prof/prof2311.htm
http://www.shiozawa.co.jp/madeira/schedule.htm
http://www.shiozawa.co.jp/madeira/madeira.htm

2011.10.1[Sat]
『Saudade…ゲニウス・ロキの翼』

昨日、個展『ゲニウス・ロキの琴線に触れた箱庭廻廊』が終了。
今回は今までにない人と人のつながり、温かさを感じた個展であった。
さまざまな偶然や奇跡が同時に起こったような喜びを感じた日々。
みなさまが心のこもった華を捧げてくださった。
本当に私は幸せ者である。

そんな中でも、今回の個展に華を添えてくださったのが
大川小学校、大川中学校時代の友人達…数人との再会である。
電話で声を聞けた人。
まだメールでしか連絡を取れていない人。
まだまだ数人であるが、それぞれに苦しみ、悲しみを抱えた者同士が
震災後、半年以上の歳月を経て。
そしてそれは同時に実に20年以上の歳月でもある。
懐かしく、そして、とてもうれしい。

私は大学進学と同時に故郷を離れてからずっと連絡も取っておらず
今回の震災後も連絡先すら分からず、
どうにも手だてのない日々を送ってきたからである。
果たしてこんな私のことを、今でも「友」と想ってくれているのだろうか…と。
あまりにも大きすぎた「震災」のショックが余計に気持ちを硬直させてしまった…。
どのように言葉をかけて良いのかも…分からなかった。

今回の個展の会期中、心のこもった素敵な贈り物が届いた。
それは、このメッセージにアップしている「華」…

このような場所でこのようなことを書くことは
果たして良いことなのかどうか…私には分からない。
何故なら、この送り主である友人は
今回の震災の津波で大切な母を亡くし、実家も失っていたからである。
そう…大川小学校を襲ったあの津波である。

実家も家族も無事だった私などには
到底理解できるはずもない苦しみ、悲しみがあるに違いない。
………心に沁みた。

会期中、常に私を見守り、勇気を与えてくださったこの贈り物。
それはまさに…
今回の個展開始の際にメッセージで発信した「翼」であったように想う。
そう…ゲニウス・ロキの「翼」は存在したのだ。
宮城県石巻市のゲニウス・ロキの「翼」が…。

私は昨日の作品搬出の際、
今回の個展にフラワーアートで友情参加してくださった
松澤三恵子氏にこの「華」を託すことにした。
今回の個展でさまざまなカタチでつながった方達に
この「翼」をおすそわけするために。

みなさま、本当にありがとうございました。
心からの御礼を申し上げます。

また逢える日を楽しみに。
それまでお互い元気でいましょう。



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