2013.7.14[Sun]
『個展終了』

昨日をもって、5月末から2期に渡って開催してきた個展が幕を閉じた。
今回もまた、たくさんの方々にご来場いただいたこと、
そして、最大限のサポートをしてくださったみなさまに
この場を持って感謝致します。

ひとまず「ジョルダーノ・ブルーノ」への考察は一応のカタチを見た。
それが一体何だったのか、また、それが今後、
どのようなイマージュに展開、発展していくのかは知る由もないが、
時間的、空間的限定を超えて、無限の仮想空間の中に遊ぶことができる
記憶の奥底を追い続けていくことに変わりはないであろう。

今日、私は小林秀雄(批評家 1902年〜1983年)の講演会の声に耳を傾けている。

●小林秀雄「科学する心」
http://www.youtube.com/watch?v=X2ZA6x9fFtk

2013.7.7[Sun]
『結末のない推理小説』

私の制作における創造的インスピレーションの源泉は紛れもなく「過去の記憶」である。
現実の中にはめこまれた「内部現実」…実質的価値ある証拠のないもの。

この世に永続的なものも
頼ることのできる不変の拠り所も存在しない。
そんな明らかで疑う余地のない事実によって
意識が貫かれたときに感じる
締めつけられたような心の痛み。

郷愁、憧憬、思慕(サウダージ〈Saudade〉)の断片の蓄積とも言える。

そうした記憶に、現実、神話、幻想、夢、
迷信深い空想が渾然と入り乱れる世界から着想されるあらゆるモチーフを選択し、
無作為にコラージュし、同一平面上に位置づけ、
万華鏡世界として共存させてゆく制作過程である。

そこに散りばめられた記号は内部で光る普遍的テーマ性を持ち、
常に動き、拡大し、偶然の戯れのなすがままであり、
現実の不可解で不条理な「生きることとは何なのか」という命題が常にまとわりつく。
そこには固定観念をもった筋書きはなく、故に得られる図式的理解もない。
虚心に一字一句をたどるも、決して答えに辿り着くことのない世界。
いわば〈結末のない推理小説〉なのだ。

私が意図しているのはそうした物事の見方に適合し、
現実には幾重にも層になって重なっている
そうした諸要素を提出できるような構造をつくることであり、
それによって純粋に感覚的な構造を再現することである。

2013.7.1[Mon]
『ジョルダーノ・ブルーノ…再び』

いよいよ今週末より、ギャラリーユニグラバスでの個展
『ジョルダーノ・ブルーノの純粋気体に鳴り響く24の慈悲の鐘』
第二幕が始まる。

古代エジプトの神官「ヘルメス・トリスメギストス」が遺したとされる『ヘルメス文書』が、
15世紀半ばのフィレンツェでラテン語に翻訳された時に始まった魔術の復興。
モーセと同時代を生きたという賢者が語る魔術的世界観を奉じる
〈魔術師マグス〉たちにより「古代の叡智」がルネサンスの表舞台に立ち現れる。

そして16世紀後半、宗教改革に揺れるヨーロッパを彷徨い、
「サンタンジェロ城」の地下牢獄に幽閉され、
異端判決のもと火刑されたジョルダーノ・ブルーノ。

ミカエルとヘルメス(メルクリウス)の
プシューコポンプ(魂を冥界に導く者)としての奇妙な関係。
私にはやはりジョルダーノ・ブルーノは
大天使ミカエルが君臨する「サンタンジェロ城」と「宇宙」を
今も強烈に結びつけているように思えてならない。

『ダニエル書』で予言されていることだが、
世界が真の難局にある時、大天使ミカエルがまた出現するという。
そして、大天使ミカエルは中世の歴史思想「セクンダディ」の
「7人の天使による惑星の支配」において太陽を司る存在であり、
現在地球の守護期間(1881年〜2235年)にあたる。

「サンタンジェロ城」…
ここには、まだ何か未知のものが隠れているような気がしてならない。

「ベアトリーチェ・チェンチ」の名前が現れては、ふと消えたような気がした。

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7月5日(金)〜7月13(土)
open 11:00 -18:00 / 最終日〜16:00

gallery UG(ユニグラバス)
〒101-0031
東京都千代田区東神田1-14-11ヤマダビル1F
TEL.03-5823-7655
FAX.03-5823-7656
ginza-kikaku@uniglavas.com
http://www.gallery-ug.com
●JR横須賀線・総武線快速「馬喰町」、都営新宿線「馬喰横山」、
 都営浅草線「東日本橋」いずれの駅も地下連絡通路により、
 つながっておりますので、「馬喰町」の出口Cよりお越し下さい。
 出口より徒歩1分(馬喰町一丁目交差点を右折)
●日比谷線「小伝馬町」出口Aより徒歩8分
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