2014.4.24[Thu]
『赤』

モノクロ調の作品が自ずと多くなってしまうのは、
元々自由に色彩を操れないからだ。

理由ははっきりと分からないのだが、
私は青や緑などの寒色系を苦手としており、
これらの色を使って描き始めると
かなり初歩段階で制作は停滞し失敗に終わる。
また、アクセントとして青や緑を入れたばかりに、
台無しになってしまった作品も、かなりの数にのぼると思う。

寒色系は、決して「色」として嫌いな訳ではない。
青空や草原の色はもちろん大好きだし、
ラウル・デュフィ(Raoul Dufy)の風景画に見られるような
透き通った青も非常に魅力を感ずる。

ただ、私にはどうやっても使いこなせない色なのだ。
「何故?」と聞かれても困る。
それが私の「性格」なのではないだろうか?

比較的、安心して使える色系統は、白、黒、褐色、そして赤に限られる。
その中でも私にとって、一番強烈な「効かせ色」は赤のような気がしてならない。

皇帝ネロが執着した薔薇の中に、赤い薔薇はあったのだろうか。
また、それはどのような赤だったのだろうか。

『Nero and the Golden House』
https://www.youtube.com/watch?v=5xdcQxRJlP8

『How Nero Saved Rome Visual FX』
https://www.youtube.com/watch?v=C51bStZQpP4

 

2014.4.20[Sun]
『個展のお知らせ』

時期尚早ですが個展のお知らせを致します。

今回は64年に起こったローマ大火後、
皇帝「ネロ」が市中心部(エスクイリヌスの丘)に建設した
「黄金宮殿」=ドムス・アウレアがテーマとなります。

666…。
それは、自由主義神学の高等批評による聖書学において
悪魔として、獣としての皇帝「ネロ」の意。

荊棘…。
それは、ネロの薔薇への異常なまでの執着。悪心。そして困難。

新技法による黄金色の版画、
また立体作品も併せて展示致します。
以下、詳細です。

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『黄金宮殿(ドムス・アウレア)- エスクイリヌスの丘を彷徨する666(NERO)の荊棘』
5月28日(水)〜6月15日(日)
※月曜・火曜 休廊
open 11:00-19:00(ただし6/14は16:00、6/15は17:00まで)

ギャラリーカフェ ストーク
〒365-0037
埼玉県鴻巣市人形 4-4-113
TEL.090-1122-9127
http://www1.tcat.ne.jp/stork
●JR高崎線「鴻巣駅」東口から2km
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2014.4.15[Tue]
『原風景』

夭折の詩人『八木重吉』(小学館)を読み終える。
瑞々しく静かな悲しみを孕んだ美しい原風景。
以下、その中から一編を引用。

『追憶』
山のうえには
はたけが あったっけ

はたけのすみに うずくまってみた
あの 空の 近かったこと
おそろしかったこと



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