2018.8.31[Fri]
『プリーモ・ミケーレ・レーヴィ』

読みたいと望む本が…
数多あるが…
到底、追いつけそふもない…

今現在…
最も読みたい中の一冊には…

『プリーモ・ミケーレ・レーヴィ』(著)の…
『これが人間か』がある…

『プリーモ・ミケーレ・レーヴィ』は
イタリア国籍のユダヤ人…

第二次世界大戦中…
ドイツ軍に投降し乍らも…

奇跡的に『アウシュヴィッツ』を…
生き残った人物である…

列車で『アウシュヴィッツ』に…
同時に送られた仲間は650人…

其の内…
イタリアに向かふ列車に乗ったのは…
たったの3人…

単純計算で…
生還率は、0.46%である…

『プリーモ・ミケーレ・レーヴィ』は…
其の生還者であるのだ…
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『プリーモ・ミケーレ・レーヴィ(Primo Michele Levi)』
https://www.youtube.com/watch?v=c_hEC-wJLdQ

2018.8.30[Thu]
『牧歌』

ジョルダーノ・ブルーノ(著)の…
『傲れる野獣の追放』に於いて…

『ソフィア』と『サウリーノ』との間で…
以下のことが語られる…

『偉大なるアキレウスは、再びトロイア戦争に送られることはないだろう』
…と…

此処で触れられているのは…
ラテン語詩人の一人である…
『プーブリウス・ウェルギリウス・マーロー』の…
『牧歌』のことである…

話は戻り…
『傲れる野獣の追放』に於いて…
ユピテルは『成熟』したのである…

正しい想像力…
入念な思考…
強力な記憶力…
賢明な理解力…
目に賢慮…
鼻に利発さ…
耳に注意力…
舌に真実…
胸に誠意…
心に穏やかな情念…
肩に忍耐…
背に屈辱の忘却…
腹に節制…
足に持続力…

もはや…
ユピテルは動物に変身することはなく…
『裁き』が近いことを考えていました…

其れは、およそ…
三万六千年が終わり…
『世界年』が一巡した時のことを…
恐れていたのです…
-------------------------------------------
『Troy(トロイア戦争)』
https://www.youtube.com/watch?v=0Cz7u8RPYKo

2018.8.29[Wed]
『大天使ミカエル』

此の作品には…
わたしの知覚心像による…
巨大な『大天使ミカエル』を配置した…

画面中段には…
地平線(水平線)を…

画面上段には…
空高く広がる雲々を…

『大天使ミカエル』は丁度…
われわれに背を向けて…
左側へ歩みを進めている…

頭部は雲々に覆われ…
定かでない…

此処で話は変わる…

一カ月後…
9月29日は…
『大天使ミカエル』の祝祭日である…

『大天使ミカエル』は…
中世の歴史思想『セクンダディ』の…
『7人の天使による惑星の支配』に於いて…
『太陽』を司る存在であり…

現在、地球の…
『守護期間』(1881年〜2235年)にあたるのだ…
-------------------------------------------
『サンタンジェロ城(Castel Sant' Angelo)』
https://www.youtube.com/watch?v=-6KOd6ZhuRg

2018.8.28[Tue]
『天使の城』

ローマ…
テルミニ駅から
ヴァチカンに向かふバスに乗り…
テヴェレ川を渡る直前のバス停で下車…

テヴェレ川に沿って右手に歩いてゆくと…
其れは現れる…

プッチーニのオペラ…
『トスカ(Tosca)』の舞台にもなった
『サンタンジェロ城』が…

此の城の屋上から望む…
ヴァチカンの景色は圧巻である…
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『トスカ(Tosca)』
(ジャコモ・プッチーニ:作曲)(ルチアーノ・パヴァロッティ:歌)
https://www.youtube.com/watch?v=OR-3jUWP6e8

2018.8.27[Mon]
『ピエタ』

ミケランジェロは生涯に於いて…
4体の『ピエタ』を手掛けたが…
完成したのは『サン・ピエトロのピエタ』のみである
(ヴァチカン市国『サン・ピエトロ大聖堂』収蔵)

2年間の制作期間…
完成は1500年…
ミケランジェロが若干24歳の時である…

わたしは…
カトリック教会の総本山…
『サン・ピエトロ大聖堂』の天井…
『クーポラ』から降り注ぐ神々しい光の中で…

感動を通り越して
完璧に打ちのめされていた…

其の時のわたしは…
どんなに情けない表情をしていたのであろうかと…
いまだに苦笑するしかないのである…

ちなみに、ミケランジェロは71歳の時…
此の『サン・ピエトロ大聖堂』の設計にも携わっている…
(クーポラはミケランジェロの設計による)

話は変わるが、此の時代に於いては
まだ『地動説』よりも『天動説』の方が有力であったのだ…
地球は宇宙の中心にあり静止しているといふ説が…
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『サン・ピエトロのピエタ』
https://www.youtube.com/watch?v=nrILSVmTNwQ

2018.8.26[Sun]
『ダヴィデ像』

フィレンツェ…
サン・マルコ広場の東南の角にある
『アッカデーミア美術館』に収蔵されている
ミケランジェロの代表作『ダヴィデ像』…

高さ5メートル以上にもなる像を
目の当たりにした時の感動は
今も鮮明に想い出せる…

1501年から1504年に渡り
3年がかりで制作された『ダヴィデ像』…
(制作開始当時、ミケランジェロは26歳)

大理石はイタリア北部、トスカーナ州
マッサ=カッラーラ県産のもの…

ミケランジェロの有名な言葉…
『彫像は既に石の中にあった。
自分はただ其れを取り出したに過ぎない』
…を想い出す…

其の後、1506年…
ミケランジェロは…
ローマの『ドムス・アウレア(黄金宮殿)』付近から
発掘されたヘレニズム様式の『ラオコーン像』に対面し
感銘を受けたといふのも良く知られた話である…

『ラオコーン像』は…
『ヴァチカン美術館』で観ることができる…
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『ダヴィデ像』
https://www.youtube.com/watch?v=-vUy5QfcF7Y

2018.8.25[Sat]
『ヘルメス文書』

フィレンツェのアッカデーミア・プラトニカに於ける
マルシリオ・フィチーノによって
『ヘルメス文書』はラテン語に翻訳された…

其れはまさに『プラトニズム復興』へと…

キリスト正教に対する…
魔術的な深層伝統として…

宇宙に煌めく神秘的な力を尊ぶ世界と
地上世界のあいだの照応関係に感応することが出来る
『霊的能力』の重要な鍵が幾つも存在しているのである…

〈問答法(弁証法・弁証術)〉
〈数学・幾何学〉
〈天文学・自然学・神学〉
〈魂論〉
〈倫理学〉
〈政治学・法学〉
〈教育論〉
〈性論・芸術論〉

あぁ、懐かしき『フィレンツェ』…
『春(プリマヴェーラ)』と『ヴィーナス誕生』…

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『Firenze(フィレンツェ)』
https://www.youtube.com/watch?v=DfW-Tn231Sk

2018.8.24[Fri]
『憐れみ』

ジョルダーノ・ブルーノは紛れもなく…
近代哲学体系や自然科学の先駆者である…

ジョルダーノ・ブルーノの語るよふに…

あらゆる液体が実体に於いてはひとつの液体であるよふに…
あらゆる気体は実体に於いてひとつの気体だし…
あらゆる精神はひとつの精神のアンピトリテから来ていて…
其処に戻ってゆく…

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『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=WN_LLxVOMDY

2018.8.23[Thu]
『記憶と運動』

わたしたちは…
今や特に…

運動によって実現される
オートマティックな再認から…
記憶心像の規則的介入を要求する
再認へと移らねばならぬ…

言い換えれば…

まず対象があり…
其れをわれわれが知覚する…
知的拡張の増大する努力があり…
実在のより深い層があるのである…

わたしたちの精神は至る処に
何かしらの性格のある特徴を求めては…

物と物との間
空間的・時間的隙間を
記憶心像で満たすのであり…

其の記憶心像は『紙面』に投影されると
実際に印刷された『作品』となって…

わたしたちに
其の錯覚を与えるのである…

-----------------------------------
『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=LZ0SA7dm-gI&frags=pl%2Cwn

2018.8.22[Wed]
『エーテルの天空』

徳や優雅さ…
相反する放埒や軽薄さ…

其れらは少しの間…
水と気と火と土の戯れの輝きのよふに…
波紋を広げて待っているのです…

だから…
特別な衣装が要らないよふに…
扉の前にかがんでみるのです…

いかなる人間…
いかなる個人に於いても…
世界と宇宙の観想がなされます…

世界は多くの天圏に区分され…
次に48の像に区分されます…

星々を帯びた第八天が
これらに分割されています…

其れがエーテルの天空の姿となるのです…

わたしは其の表情を…
装ふことなく描いてみたいと願ふのです…

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『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=Q9qjf_qQI08&frags=pl%2Cwn

2018.8.21[Tue]
『ブルーノの哲学思想の源泉』

本日の作品の右側には
『アグリッピーナ』の破片を配している

ブルーノの哲学思想の源泉は
『ヘルメス主義』や『グノーシス主義』など
多岐に渡っているが…

第5代ローマ皇帝『ネロ』の
幼少期の家庭教師であり
古代哲学者である
『ルキウス・アンナエウス・セネカ』も
その一人である

以下に…
ルキウス・アンナエウス・セネカの
一文を抜粋することとする…

---------------------------------------
運命がわれわれを導き、
われわれは運命に従う。
かき乱された心の平安も
曲った紡錘(つむ)から出た糸を変えることはできない。
われらが行うこと、もたらすことはみな、
天のあらかじめ定められた決定に依存し、
残酷な妹は、紡ぎ出された糸を、
元に戻すことはない。
運命の女神たち(パルカエ)が
機を織る手にはある種の秩序があるが、
われわれのめいめいには、
自らの運命に遭遇しに不確かな道を歩む。
---------------------------------------
『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=oTw-kvXS9Sk

2018.8.20[Mon]
『ジョルダーノ・ブルーノ』

ジョルダーノ・ブルーノの思想は…
当時の宗教を大目に見ることを決してしなかった…

自然のあらゆる事物の中に神が宿るといふ…
自然の事象や生起についての体系的理解および
理論的考察の総称の立場から…

古代エジプトの宗教と偶像崇拝を
徹底的に庇い守るのである…

其の対立する極として反自然的な立場から
自然法や人間の偉大な事業の名誉を蹴落とす…

とくに魔術的要素とキリスト教の
教義のすり合わせがが見受けられるのである…

当時は『異端宣告』のもと火刑されたが…

ジョルダーノ・ブルーノの思想が…
『ルネッサンス』に与えた影響は多大なるものなのだ…

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『サンタンジェロ城(Castel Sant'Angelo)』
https://www.youtube.com/watch?v=v80Y7IMvK6I&frags=pl%2Cwn
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2018.8.19[Sun]
『サンタンジェロ城』

ヴァチカン市国…
『サン・ピエトロ大聖堂』の
目と鼻の先に其れはある…

私にとっての創造の源となる
『サンタンジェロ城』が…

キリスト教は廻らない…

然し乍ら…
ジョルダーノ・ブルーノは
『輪廻転成』の思想を持つ…

此のブルーノの主張は
一見、厭世的であるよふにも
思えるかもしれないが…

此の世のすべての存在や現象は
さまざまな原因や条件によって
常に移り変わるものであり
少しの間もとどまっていない…

其のよふな状況に置かれているからこそ
上昇と改革が可能になるのである…

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『サンタンジェロ城(Castel Sant'Angelo)』(世界遺産)
https://www.youtube.com/watch?v=r6ZkmoJG7FA&frags=pl%2Cwn
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2018.8.18[Sat]
『行動』

ここしばらく…
制作に没頭して終ったがため…
アトリエの有り様が無惨極まりない…

何とかしよふと悪戦苦闘するが…
これがまた難敵…

長期戦となる模様で…
我ながら苦笑するしかない…

自分が散らかしたのだから…
自分で何とかするしかないのだ…
『行動』あるのみである…


小林秀雄:著
『性格の奇蹟』より一部抜粋(以下)
---------------------------------------------
性格とは顔である。それは画家の仕事だと言うのか?
然し、黙って坐っていた兵隊が口を開いた途端、
画家の観念は、忽ち小説家のイリュージョンに
移調されて行く事を如何しよう。
而も、会話から会話者の行動を取り去ったあとに一体何が残るか?
性格とは行動である。
---------------------------------------------

2018.8.17[Fri]
『締め付けられたトルソ』

昼間…
睡魔に襲われ…
仮眠を取ろうと横たわる…

浅い眠りの中で…
三島由紀夫の自決の光景が…
私の脳裏に鮮明に浮かび上がった…

森田必勝、小賀正義、古賀浩靖、小川正洋らも…
その場にいた…
『唐獅子牡丹』の歌が…
微かに聴こえていた…

其れは…
『締め付けられたトルソ』のよふな光景…

そして…
25年程前のことだったか…
上野にて『天皇陛下』を…
見かけたことを思い出した…

睡魔は去り…
静かな心で…
本日、5点の作品が完成した…

『唐獅子牡丹』 歌詞(以下)
--------------------------------------
義理と人情を秤にかけりゃ
義理が重たい男の世界
幼なじみの観音様にゃ
俺の心はお見通し
背中で吠えてる唐獅子牡丹

親の意見を承知ですねて
曲がりくねった詫びよかお袋に
背中で泣いてる唐獅子牡丹

おぼろ月でも隅田の水に
昔ながらの濁らぬ光り
やがて夜明けの来るまでは
意地でささえる夢ひとつ
背中で呼んでる唐獅子牡丹
--------------------------------------

2018.8.16[Thu]
『救済』

ローマ帝国…
第5代皇帝『ネロ』…

世界屈指の『暴君』とされている…

確かに過保護な母親『アグリッピーナ』を謀殺し…
妻も残酷な方法で暗殺した…

逆らふ重臣たちもまた
次々と処刑されている…

だが、ネロが『暴君』とされている最大の理由は
『キリスト教』の迫害である…

かつてローマは
『ローマ大火』によって…

14区のうち10区を焼くといふ
未曾有の災害に襲われている…

ネロ自身が火を付けたといふ
噂まで流れていたほどである…

そこで、ネロは…
『キリスト教徒』を犯人に仕立て上げ
数多くの一般教徒を処刑したといふ…

皇帝ネロは史上初めて…
本格的に『キリスト教徒』を迫害した皇帝とされ…

聖書に出てくる獣の数字『666』とは
ネロのことだとも考えられた…

ネロは『ローマ大火』に於いて
すぐに被災者救済に乗り出した…

仮設住宅の設置
食料配布などを陣頭指揮した…

そして焼け落ちた『エスクイリヌスの丘』に
『ドムス・アウレア(黄金宮殿)』を建設したのである…

災害跡地に『箱物』を建造するのは
現代でもある話である…

少なくとも…
ネロが反乱により自害した時…

数多くのローマ市民が
ネロの墓に花を捧げている…

慕っている市民は少なくなかったのだ…

2018.8.15[Wed]
『一連の対話』

わたしは此処に
一連の対話を捧げます

其れは
勇んで掻き集めた
永遠の真理です

海水もない衛星(月)に於いて
ジョルダーノ・ブルーノの飛行船は
ある一点に留まって

ため息といふ
心地よい風を
受けることとなるのです

窓ガラスは曇っていて
其の向こう側は
ぼんやりと霞んでいます

頭脳では計測できない夢の幻影を
途方もなく探してゆくしかないのです

一連の対話が
其処にはあります

一連の対話が
其処にはあります

2018.8.14[Tue]
『ふるさと』

ふるさと
『大川小学校』のある風景…
『追波川』のほとりにて…


陸奥(みちのく)の
袖の渡りの涙川
心のうちに
流れてぞ住む(澄む)
(新後拾遺和歌集)

2018.8.13[Mon]
『イムニタス(免疫)』

イムニタス(免疫:ラテン語)とは…

普通に捉えるのであれば
病を克服するために
その病の要因となる微生物や毒素の
力を弱めたものを
人体に投与する運動
ないし働きのことである

つまり『免疫』において

『薬』は『毒』と
『生の保護』は『破壊』と
『生の肯定』は『否定』と
結びついているのである

『免疫』は
『アガンペン』と『ネグリ』が
相反の方向に分裂させて終った
生政治の思考を

生の内部へと再度
連れ戻す重要な鍵となるのだ
-------------------------------------------------------------
『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=r24mSpQX6Fs&frags=wn

2018.8.12[Sun]
『人間の完成のあらわれ』

人々は皆
麗しい月明かりの中に
どうすれば見つけられるのかを考へていました

其れは月面にある
巨大なクレーターです

鳥たちが羅針盤を手にして
賛美の歌を奏でています

わたしは酸素を吸って
口ごもり乍ら眠ります

何故ならば無限宇宙の感情は
いくつもの宇宙の集まりのなかで
しいんと静まり返っているからです

どなたかいらっしゃいますか

わたしにとっての無限の場所は
あの天使のお城の中に立ち込めていて

古代エジプトの獣神も
其処にはいるよふです

無限宇宙の感情には

されることができるといふ
受動的な状況のよふなものがあるよふです

其処には働きを受け入れる力能の景色があり
其れはとても広い視野があるよふで
わたしは生きて知ることができるのです

そして其れがあることにより成立する
あの大草原に張り巡らされた
獣道の成長のよふな能動的な創造があるよふで
わたしは熱意を持って緊迫した線を引くことができるのです

其れはいつの日にか
徳の領域に到達することができるのでしょうか

わたしの言おうとしていることを
是非とも知ってください

受動と能動は表裏一体であり
誰も其処から逃れることはできません

ただただお互いの目の特権で
見つめ合ふしかありません

必要の限度を超えた訪問者は
二人でひとつの神殿をつくろうと言いました

その二人は
唯物論と観念論といふ名を
持つよふです

私は眠り続けています
そして仲間たちも眠り続けています

愛は人間の未完成ゆえに生じるものではなく
むしろ人間の完成のあらわれなのです
-------------------------------------------------
坂本龍一
『3-3 Light』
https://www.youtube.com/watch?v=RqlItqLTseQ&frags=pl%2Cwn

2018.8.11[Sat]
『自由と尊厳』

ジョルダーノ・ブルーノの
無限宇宙によれば『哲学者・芸術家』は
激しい感情の『葛藤』の中に生きるのであり

人間たちの『共同体』もまた
『葛藤』を抱えたまま
『交わり』と『駆け引き』によって
常に柔軟に変化し『持続』する

其処には
『生きることの多様性』の発見がある

言うなれば旧約聖書の
『アダム』のよふに

『相反と流転』のもと
万物の中心の座から
『追放』されることが重要なのだ

とは言え逆説的なことに
其れによって人間はむしろ
『無限に変容しうる能力』を
獲得することとなり

人間的なるものを
『超越』することになるのである

其の『超越』した処に
人間にとっての
『自由と尊厳』があるのである
-------------------------------------------------------
『ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno)』
https://www.youtube.com/watch?v=7o-hwM38QDw&frags=pl%2Cwn

2018.8.10[Fri]
『動機』

はてさて困ったことに…
わたしは…
『ジョルダーノ・ブルーノ』を
いつ何処で知ったのかを
全く覚えていないのだ…

『ジョルダーノ・ブルーノ』について
深く理解しているかと問われれば
そふでもないとしか
言いよふがないのが本音である…

『ジョルダーノ・ブルーノ』が
『火刑』されたといふことが
ひとつの『動機』であったとは思ふ…

何故ならば…
私は中学生の頃
『ジャンヌ・ダルク』に
とても心惹かれて『文献』を
漁っていたことがあったからだ…

『アルテュール・オネゲル』作曲の
『火刑台上のジャンヌ・ダルク』は
おそらく多くの影響を
わたしに与えているよふに思ふのだ

『ジャンヌ・ダルク』と言えば
『英仏百年戦争』である
フランスの国民的ヒロイン
カトリック教会における『聖人』

実はこの『英仏百年戦争』の歴史も
時代的に今回の個展のテーマに
非常に絡んでくるのである

『アルテュール・オネゲル』作曲の
『火刑台上のジャンヌ・ダルク』は
必聴のオラトリオである

曲の構成は
以下の通りである

1.天の声
2.一冊の書
3.地の声
4.野獣に引き渡されたジャンヌ
5.火刑柱に付けられたジャンヌ
6.王たち、またはトランプ遊びの考案
7.カトリーヌとマルグリート
8.ランスに向かう王
9.ジャンヌの剣
10.トリマゾ
11.炎の中のジャンヌ・ダルク

--------------------------------------------
アルテュール・オネゲル(Arthur Honegger):作曲
『火刑台上のジャンヌ・ダルク』
https://www.youtube.com/watch?v=f2PPjSeMA2Y

2018.8.9[Thu]
『皇帝ネロ』

ここ数日…

『ジョルダーノ・ブルーノ』から
『ローマ』について触れてきたが…

『ローマ』を語る上では
『皇帝ネロ』のことを
語らない訳にはいかない…

時は紀元64年にまで遡る…

『チルコ・マッシモ(大競技場)』の
観客席のもとにひしめく
店のひとつから出火した火は

アフリカからのシロッコと呼ばれる
南西風によって瞬く間に
ローマを火の海に変えて終う

この時代の中流の下と
下層の住民のための住宅であった
『インスラ』と呼ばれた集合住宅は
壁は石造りであったが
床や天井は木材であった

此れが災いした…

9日間も猛威をふるった火は
実にローマ市14区のうち
3分の2にあたる10区を焼いたのである

ローマは実に
巨大な都市である…

ローマは実に…
東京23区の2倍強の
広さを持つ都市なのだ…

ネロは被災者の収容と
何もかも失った市民への
食の供給も忘れなかった

有る限りの小麦やローマ式ポタージュ
野菜や果実の早急な供給が行われる

そして皇帝ネロが
迅速に行ったのが
ローマ『再建』である…

街路の幅を広く規定し
住居の高さを定め
建物に使う梁は木材ではなく石材とする
内庭を常備する
内庭には貯水槽を設ける
ポーチの設置

これらが今現在の
ローマ都市の『基盤』を造ったのである

同時に行われた『国費』を利用しての
『私邸』建設…
『ドムス・アウレア(黄金宮殿)』によって
市民の反感を買ったネロであったが

皇帝ネロはやはり私にとって
常に魅力的な存在であることに
変わりはない

皇帝ネロが生きた時代…
其れは途方もなく昔のことだ…

なにせ…
『コロッセオ』が
建設される以前のことだからだ…

---------------------------------------------------------
『ローマ大火、そして、ドムス・アウレア(黄金宮殿)』
https://www.youtube.com/watch?v=C51bStZQpP4

2018.8.8[Wed]
『魔術』

日々の制作に於いて
わたしのなかでは
相反する感情が立ち現れ
常に一致し乍ら揺れ動いている

『素描』の中に
満足させるものと
辟易とさせるものとの
紐帯の存在を確信する

葛藤や苦悩を混合しなければ
喜びや愉しみは決して立ち現れない
其れらは常に両極に於いて
同一存在しているのだ

物質的世界の仮説…
わたしたちは
此の『物質』のことを
何ひとつ解き明かせてはいない

わたしたちの『人格と役割と目的』もまた
同様なる『神秘』に包まれたままである

是等の『運動』の放物線が
『作品』となるのみである

話は変わり、イタリアは
ルネッサンス時代以前(14世紀頃)…

ゲルマン民族の侵入による封建社会
そして神を絶対視し人間を罪深いものとする
ローマ教皇の思想に支配された
『暗黒の時代』の中にあった

そして遂に
15世紀半ば…

古代エジプトの神官
『ヘルメス・トリスメギストス』が遺した
『ヘルメス文書』がフィレンツェに於いて
ラテン語に翻訳される

かつてキリスト教によって異端とされ抹殺された
神秘主義、占星術、錬金術、自然魔術などの
『古代の叡智』が再び息を吹き返した

『暗黒の時代』から
『人間性の自由・解放』をしようという運動が開花する…

此の『魔術の復興』が
『ルネッサンス』

ジョルダーノ・ブルーノもまた
『ヘルメス文書』の伝統を身をもって実現した
『魔術師』のひとりであるのだ

本日の以下の動画には
サンタンジェロ城が
幾たびも登場する
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=oSexfR0Ubzw

2018.8.7[Tue]
『個展のテーマ』

長きにわたり
考えに考えてきた…

久方ぶりに開催する
『個展』のテーマが
ようやく私のもとに降りてきた…

此れを機会に
私の表現の場は『再始動』する…

其のテーマとは…
------------------------------------------------------------------------
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
------------------------------------------------------------------------
…である。

ジョルダーノ・ブルーノについては
5年前の2013年に
『ジョルダーノ・ブルーノの純粋気体に鳴り響く24の慈悲の鐘』
というテーマで、個展を開催してきた

其れは、ジョルダーノ・ブルーノの
『無限・宇宙・諸世界について』について
私なりに思考を巡らせたものであった

『無限・宇宙・諸世界について』の私の思考は
此のホームページ上の、2012.9.14[Fri]のメッセージ…
『記憶の備忘録』に書き連ねている内容そのものである
(以下)
------------------------------------------------------------------------

ルーペのレンズを突き抜けた白銀に輝く太陽光の粒子は、
まるで漏斗に注がれたエーテルのごとく
抵抗することを許されず屈折を余儀なくされ、
目に見えぬ円錐形となってある地点で収束し、
獲物を狙う豹の眼のような眩く美しい灼熱の焦点として立ち現れる。

ルーペを持った手は、意識的に辛うじて安定を保つ努力をしつつも、
呼吸や鼓動、更には筋肉の動きのために
時折揺れ動くことまでは制御できず、
その度に焦点は正円と楕円の間を微細に往復し続けることを強いられる。

その変容を見つめ続ける我が虹彩によって囲まれた孔は
たちまちのうちに収縮し、屈折を受けた虚像は
神聖にして不可侵な闇夜とは無関係の扉を開き始め、
まとわりつく周囲の空気の密度はそれとは対照的に、
眠るような幻影の中心を静かな流れに沿って
急速に色彩と輝きを失い、失速し、
胎動のような微かなノイズを受けて熱を帯びゆく。
遠ざかる気息。
北緯36度、東経103度の月面クレーターの明と暗。

得体の知れぬ磔台に釘付けされた黒き紙片。
獰猛な焦点の輝く虚空に身を委ね、叫び声も上げず、
瞬く間に爛れ、灼き尽くされ、ただただ静寂の中、
鼻腔をつく煤けた紫色の煙を吐き出し、ミゼレーレの微笑と共に灰と化す。

ふと我に返り、深淵の青黒き空の壁のさなかに残る
幾多の突き当りの暗闇を見やると、
眼球の裏側は乗算された透明な深緑色の薄膜で支配し尽くされ、
全ての存在や輪郭もあやふやな、幻想とも夢想ともつかぬ
息を呑むような何かが漂い、やがて立ち消える。

ふたつの焦点の軋んだ沈黙。
光軸上に下ろした垂線のサーベル。
青ざめた無垢な夢見る純粋気体。
水、気、火、土。
文脈から剥がれ落ちた呪われた無限宇宙に舞い降りるオーロラ。
ジョルダーノ・ブルーノ…。

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今回の個展は
此の『無限・宇宙・諸世界について』から少し離れて
ジョルダーノ・ブルーノの
『傲れる野獣の追放』に論点を移し、展開してゆく

つまり…
ギリシャ・ローマ神話における最高神であるユピテル(Jūpiter)の改悛と
其れに伴う『天』にある『星座たち』の
浄化の『寓話的物語』へと移行することを意味する

ユピテルは『人間の知性』の象徴

人間といふ『ミクロコスモス』の
新たなる『自己改革』と『自己形成』のプログラム

ジョルダーノ・ブルーノによる
『道徳哲学』的な次元への更なる展開を
私なりに思考を巡らせる試みである

つまりは『相反と流転』の関係性なのだ

此処で話は少し逸れて…
リンクした以下の動画サイトには
『ローマ』の景色が走馬灯のよふに展開する

(2:15)あたりで
カンポ・デ・フィオーリ広場にある
『ジョルダーノ・ブルーノ像』が現れる

(2:45)に於いては
ジョルダーノ・ブルーノが
異端者としてかつて幽閉されていた
『サンタンジェロ城』が現れる
(サンタンジェロ城は、かつて牢獄として使用されていた)

やはり、私にとって『ローマ』は
創造力を掻き立てる
大切な場所であることに変わりがない

まさに『すべての道はローマに通ず』である

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『ROMA』
https://www.youtube.com/watch?v=1g7TrcIlpMk&frags=pl%2Cwn

2018.8.6[Mon]
『相反と流転』

『相反』するものの一方は
其れと『相反』している他方のものの
事物・事象が依拠する根本法則、
物事の始めである

其れらの『変異』は
『循環的な様相』を呈す

例えば
『水』…

最大の熱さ『沸騰』が終息するところから
冷たさへの運動がはじまる

そして
最大の冷たさは『氷結』である

『沸騰』と『氷結』…

ふたつの最大が
他からの力を
はねかえすに於いて一致し

ふたつの最小が
溶け込んで調和することに於いて
一致するだけでなく

其れらが変異の
『流転』によって
一致することは
アプリオリなことである

『水』は『水』

其れと同様に
『相反』する感情が
『流転』することによって
わたしたちは生きている

絶叫があるから
沈黙がある

絶望があるから
希望がある

不安があるから
果敢がある

涙があるから
笑いがある

悪しきものがあるから
善きものがある

悲しみがあるから
喜びがある

苦痛があるから
快楽もある

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プロフェッショナル仕事の流儀 『イチロー』
https://www.youtube.com/watch?v=4wMFnT4guUc&frags=pl%2Cwn

2018.8.5[Sun]
『傲れる獣の追放』

本日は
ジョルダーノ・ブルーノの著作
『傲れる獣の追放』から
一部抜粋することにする

此れがイタリア哲学である

(以下)
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わたくしたちが見るものすべて、
そのはじまり、なか、おわり、
その誕生、成長、完成は、
相反するものから、相反するものを通して、
相反するものにおいて、相反するものへと向かいます。
相反性のあるところには、
作用と反作用があり、
運動があり、多様性があり、
多数のものがあり、秩序があり、
その数々の等級があり、
継起があり、流転があるのです。

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『セバスチャン・サルガド(Sebastião Salgado)』
https://www.youtube.com/watch?v=WmedMl4hNd4&frags=pl%2Cwn

2018.8.4[Sat]
『幾ばくかの傷み』

この作品には
首もとから顎に向かっての
ラリマーのよふな
印象を持つ線が
描かれています

細く長く
重力に逆らっている
其の線は

幾つかの連想のうちに
『幾ばくかの傷み』を伴います

何故ならば

外界の物質(対象物)の運動は
すこぶる明了なイマージュであり
其処に見る以外のものを
求める余地はないのですが

わたしは

わたしの内部に於いて
此の外界の物質(対象物)の作用に対して
わたしの身体の反作用を開始し
準備を果たそふと運動(素描)しているからです

わたしの運動(素描)は其れ自体の運動ですから
外界の物質(対象物)のイマージュ其の物を
創造することは叶いません

しごく当たり前のことですが
此れが『素描』の持つ
『幾ばくかの傷み』なのです

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『ニュー・シネマ・パラダイス(Nuovo Cinema Paradiso)』
(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ)
https://www.youtube.com/watch?v=hLe9gTKQ4LU

2018.8.3[Fri]
『トルソ』

空っぽの巣の大きさを
想い出す

其れは『トルソ』のある景色の
飛び立つ瞬間に於いてです

心を入れることのできる
空っぽの巣が
鍵を持ち乍ら
眠っておいでです

頼もしい言葉は
みずから引きこもって
瞑想のエメラルドの
湖畔においでです

サロンは
最初はあなたを
分からなくさせたけれど

あの大天使はようやく
思いやりのある
やさしさによって
天国の意味を知ったよふであります

『トルソ』には顔がありませんが
まさに其のひとの
顔のすべてを見るのです

其処には
輝かしくまだ開かれたことのない
貴い生への扉があるのです

その扉を開いてみるのです
鍵があるのですから

あなたのなかに

2018.8.2[Thu]
『屠竜之技』

黒い領域に白の面積が侵入しているのか
白い領域に黒の面積が侵入しているのか

其れは画面の四辺を
いかに意識するかといふことに
他ならない

其れらの四辺に
『線』がどのよふな角度で
ぶつかり合い
其の外側へ突き抜けてゆくのか

白と黒のバランス
緊張と弛緩
大胆な色面と微かな線

わたしの『線』など
所詮『屠竜之技』であるとも
想えるのだが…

2018.8.1[Wed]
『あの騎士たちのよふに』

それは遥か下の
Paradisoの湾

蝶々が飛び立ち
ワルツを舞った

思いやりのある
やさしい月が

美しさと誉れの刻印を
照らし出す

気品と色合いが
夜に変化を与えている
捧げるのはわたしの使命

些細なことだけど
それは宇宙の大きさから
お分りでしょう

微笑と拒絶

だから公爵然として
わたしは振り向きますの

無限の空虚を眺めた
あの騎士たちのよふに



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