2018.9.30[Sun]
『イエスの教え…グノーシス』

紀元2世紀の頃…
『ヴァレンティノス派グノーシス主義』が大きく発展したのは…
当時の社会が人類史上『最も幸福な時代』と言われた背景がありました…

ローマ五賢帝時代にあり…
社会的にも平和で物質的にも非常に安定した繁栄の時代であり…
ゆとりある豊かな生活を送った人々の…
知的関心の一般的教養の高さといふ幸運がありました…
キリスト教が社会の中に浸透し…
後の世界宗教へと発展していったのもこの時期で…
其処にひとつの大きな理由があったのです…

もし、仮にイエスが紀元前1世紀の…
『内乱の世紀』に生まれていたとしたら…
または、紀元後3世紀以降のローマ帝国が…
解体に向かっていく時代に生まれていたとしたら…
キリスト教は社会の混乱の元、犠牲となって…
歴史の舞台から排斥されていたかもしれません…

現在では哲学と宗教との間には漠然とではありますが…
ある種の境界線が引かれており…
紀元2世紀当時のことを窺い知ることは困難です…

然し乍ら当時は、哲学と宗教は真理を追求する意味合いから
任意に組み合わせたり融合させても構わないと…
捉えられていた側面もあったよふです…

オウディウスによって著された『変身物語』にも…
此のよふな思想があります…

『キリスト正統派』と『キリスト教グノーシス主義』は…
相反した立場にありましたが…
どちらかと言えば…
『グノーシス主義』に対して激しく敵対心を燃やし…
反発、排斥する立場を取ったのは『キリスト正統派』でした…

『キリスト教グノーシス主義』は『キリスト正統派』に対して…
其れほどの憎しみを持っていたとは考えにくく…
むしろ『キリスト教グノーシス主義』は、『キリスト正統派』に対し…
本来のイエスの教えを布教する努力をしていたよふです…

何故ならば…
イエスが『復活』した時、弟子たちに対して…
其のよふに教えを説いたからです…

12人の弟子たちは…
イエスの死の悲しみから立ち直り…
旅をしながら布教活動をすることになったのですが…

其の悲しみを乗り越えるために弟子仲間を勇気づけたのが…
『マグダラのマリア』です…

実際に『マグダラのマリア』はフランスに渡り
サント=ボーム山塊の洞窟に住み乍ら布教活動をしています…
其処では『マリアの福音書』を説いていたのでしょうか…

歴史的根拠は未だに見い出されていませんが…
『マグダラのマリア』が『罪深い女』であるといふ…
低俗な諸説がありますが、おそらく此れらの諸説は
『キリスト正統派』によって行われたのでしょう…

此処で紀元2世紀の時代に話は戻り…
イエスの最奥義の教え(本当の意味でのキリスト教)を受け継いだ…
『ヴァレンティノス派グノーシス主義』は…
大きく開花することとなります…

ヴァレンティノスの弟子たちの中で特に有名なのは…
プトレマイオス、ヘラクレオン、マルコス、テオドトスですが…
其の中でもプトレマイオスが最も有名です…

然し乍ら…
『グノーシス主義』は『キリスト正統派』によって…
その後『反駁』され、衰退してゆくといふ数奇な運命を辿ります…

イエスの教えによって定められた本来の『法』は…
其のよふにして歪められ、其の『法』を超えて…
または破られて、現代に至っているのです…

それでも…
イエスの本来の教えである『グノーシス主義』の思想は…
現代のわたしたちが、知らずに観たり聴いたりする中に…
正確とは言えないまでも…
脈々と流れ溢れ出て、其処此処に存在しています…

例えば…
映画『天使と悪魔(Angels and Demons)』は…
『グノーシス主義』の影響を…
多分に受けたものと言えるでしょう…

『グノーシス主義』の神秘を知ることではじめて…
見えてくる面白さがあります…

此の映画の中には…
『サンタンジェロ城(Castel Sant'Angelo)』や…
『大天使ミカエル』が登場します…
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『天使と悪魔(Angels and Demons)』
https://www.youtube.com/watch?v=jteV4lS02eA

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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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9月26日(水)〜10月14日(日)
open 11:00-19:00
※月曜・火曜 休廊  ※最終日は17:00で終了となります

ギャラリーカフェ ストーク
〒365-0037
埼玉県鴻巣市人形 4-4-113
TEL.090-1122-9127
https://gallerycafestork.jimdo.com
●JR高崎線「鴻巣駅」東口から2km

2018.9.29[Sat]
『大天使ミカエルの祝祭日』

多忙の最中で、うっかりしていたが…
昨日、9月28日は…
『大天使ミカエルの祝祭日』であった…

『大天使ミカエル』は…
数多ある天使たちの中での『ハイアラーキ(ヒエラルキー)』の…
最高位に君臨する『天使』…

天使たちは…
『プレーローマ』の外側に存在していて…
『ソーテール(神格・救い主)』を
守る存在なのです…

『プトレマイオスの教説』に於いて…
人間は以下の3つの要素によって形創られています…

【霊・モナド】
【心魂・幽体・コーザル体・原因体】
【物質・肉体】

人間が『プレーローマ』に至るためには…
フィリポの福音書に於ける…
『新婦の部屋』が…
救済の到達地点の儀式となります…

〈霊・モナド〉が…
『天使』と結婚することによって…
叶えられる世界観(プレーローマでの合一)なのです…
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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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9月26日(水)〜10月14日(日)
open 11:00-19:00
※月曜・火曜 休廊  ※最終日は17:00で終了となります

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2018.9.28[Fri]
『アモルとプシュケー』

此の彫刻とは…
かつて、ルーヴル美術館で対面しました…

イタリアの彫刻家…
アントニオ・カノーヴァ(Antonio Canova)の代表作…
『アモルの接吻で蘇るプシュケー』といふ…
非常に美しい大理石彫刻です…

此のモチーフになった物語は…
紀元2世紀後半…

当時最大級の知識人であり…
古今東西の文学や哲学に精通していた…
オウディウスによって著された…
『変身物語』の中に於いての最も有名な挿話…
『アモルとプシュケー』です…

『変身物語』が著された紀元2世紀後半は…
『グノーシス主義』が最も大きく発展した時期に重なります…

以前…
『アクタイオンの死』といふ挿話にも触れましたが…
( 2018.9.12[Wed] 『アクタイオンの死』参照 )
此れも『変身物語』の中の挿話のひとつです…

アモルは別名…
エロス、またはクピードといふ少年神で…
恋心と性愛を司る神であり…
また、女神ウェヌス(ヴィーナス)と軍神マルスの息子でした…
羽根が生えていますが天使ではありません…
俗に『恋のキューピッド』といわれるのが…
このアモルにあたります…

もう一方のプシュケーは…
女神ウェヌス(ヴィーナス)の嫉妬を買ってしまうほどの…
美貌の持ち主(人間)でした…

其処で女神ウェヌス(ヴィーナス)が息子のアモルを呼んで…
プシュケーをこの世で最も醜い怪物と…
恋するようにし仕向けなさいと命令することから始まります…

然しながら…
アモルは神であるにも関わらず…
プシュケー(人間)に一目惚れをして終います…

アモルは母の命令に背き『風』に化けて…
山の中でしくしくと泣くプシュケーを抱き上げて…
自分の美しい宮殿に連れ帰り…
自分の正体を明かさないまま…
プシュケーと結婚したのです…

女神ウェヌス(ヴィーナス)にばれないように…
夜になり、プシュケーが寝ると…
そっとアモルは現れて夜をともにします…
そして、プシュケーが起きる前に宮殿を後にするのです…

アモルはプシュケーに対し…
『決して私の顔を見てはいけませんよ』と言いました…

然しながら…
プシュケーは自分の『好奇心』から…
ある夜、ランプを灯してアモルの姿を見て終います…

結果、アモルは約束を破ったプシュケーの元から
これ以上ここにいることはできないと…
飛び去ってしまいます…

其の後、プシュケーはアモルを探して…
放浪の旅に出ますが…

結局はウェヌス(ヴィーナス)に奴隷奉公されることになり…
無理難題を仰せつかった挙句…
冥界の女王プロセルピナ(ペルセフォーネ)から…
『美しさの入った箱』を借りてくることを命ぜられます…

其の箱は何があっても開けてはいけないものだったのですが…
プシュケーは其の『好奇心』から…
其の箱を開けて終います…

中に入っていたのは『冥界の眠り』…
プシュケーはたちまち冥界に於いて…
死を迎えて終うのです…

そこへやっと心の傷の癒えたアモルが通りかかりました…
数々の試練を乗り越え自分を追い求めるプシュケーの…
一途さに心を打たれたアモルは…
『冥界の眠り』をかき集めて箱に戻し…
愛のキスでプシュケーを目覚めさせます…

愛を司る神の切ない恋物語の此のシーンが…
『アモルの接吻で蘇るプシュケー』の彫刻の中に宿っているのです…

その後…
『ユピテル神』の計らいで…
最終的に、プシュケーは…
『心・魂・蝶』の神とされ…

正式にアモルと結婚し…
後にプシュケーはアモルとの子…
『よろこび』を産むことになるのです…

全十一巻からなる『変身物語』は…
別名『黄金のロバ』と呼ばれる哲学的、宗教的な長編小説で…
全体を通して『好奇心』から『奈落の底』に落ちて終うといふ…
キーワードが隠されているのです…

『アクタイオンの死』や…
『アモルとプシュケー』には…
其のよふな『グノーシス主義』の思想が流れているのです…

『アモルとプシュケー』
https://www.youtube.com/watch?v=HWYOVljpsnQ

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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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9月26日(水)〜10月14日(日)
open 11:00-19:00
※月曜・火曜 休廊  ※最終日は17:00で終了となります

ギャラリーカフェ ストーク
〒365-0037
埼玉県鴻巣市人形 4-4-113
TEL.090-1122-9127
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2018.9.27[Thu]
『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス文書』

実のところ…
ジョルダーノ・ブルーノは…

『ヘルメス文書』の中に…
『無限宇宙』と『無数の世界』の観念そのものを…
見い出すことは出来なかったのです…

然し乍ら…

彼がこうした観念を形成するに至った…
其の精神といふもの…

それでもやはり其処に見い出し得るといふことは…
真実たることであったのです…

此れは…
勝手な私の見解ですが…
ジョルダーノ・ブルーノは…
『モナド』と『コーザル体』と『物質』を…
常に意識していたのではないでしょうか…

そふでなければ『輪廻転成』の思想は…
起こり得ないからです…

今日は…
ジョルダーノ・ブルーノの著作から…
一部抜粋することにします…
(以下)
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『善』の莫大さというものは、物質的なものであれ非物質的なものであれ、
感覚的なものであれ知性的なものであれ、
全ての存在物の形造る現実そのものと同じ大いさを示している。
これが〈善〉の本質である。
つまりこれが〈神〉の本質でもある。
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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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9月26日(水)〜10月14日(日)
open 11:00-19:00
※月曜・火曜 休廊  ※最終日は17:00で終了となります

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2018.9.26[Wed]
『神智学(マイトレーヤ)の雛形』

『グノーシス主義』に於ける…
『プトレマイオスの教説』は…
『プレーローマ』の神話を成立します…

『プレーローマ界』に於ける…
至高神は『プロパトール』ですが…
別名では…
『プロアルケー(原初)』とも…
『ビュトス(深淵)』とも呼ばれています…

彼の妻は…
『エンノイア(思考)』で…
別名では…
『カリス(恩寵)』とも…
『シーゲー(沈黙)』とも呼ばれています…

この2柱から…
万物のはじめとなる…
30柱の『アイオーン(神々)』が次々に誕生し…
『プレーローマ』が成立します…

其れは『充満領域』とも言われ…
『光の国』とも『神の国』とも言われます…

此れらが…
将来の『神智学(マイトレーヤ)』の雛形を形成してゆくのです…

特に…
『アイオーン(神々)』の中でも…
『ソフィア』の存在が大きな『鍵』となるのです…
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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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9月26日(水)〜10月14日(日)
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※月曜・火曜 休廊  ※最終日は17:00で終了となります

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2018.9.25[Tue]
『個展のお知らせ』

いよいよ明日から…
わたしの個展が始まります…
カフェ空間と離れのふたつのスペースに…
70点のリトグラフ作品を展示しました…
拙い作品ばかりですが…
ご高覧いただけましたら幸甚に存じます…
詳細は以下をご覧ください…
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佐々木岳久展
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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2018.9.24[Mon]
『キリスト教のハイアラーキー』

此れは…
どの宗派が『善』で…
どの宗派が『悪』であるとか…
また…
どれが正しくて…
どれが間違っているとかを…
意味しない推理となります…

わたし自身、特に
特別な『宗教観』を持っていませんが…
勝手に論ずることをお許し頂きたく存じます…

其の推理とは…
『神話』があくまで虚構の元に成り立っていることを前提とし乍ら…
その中でも断片的にある真実と思われるものを並べなおす作業です…

これまでも薄っすらと…
『古代宇宙論』や『グノーシス主義』『キリスト正統派』などについて…
触れてきましたが…

此れらを注意深く眺めていると…
或るものが見えてくるのです…

其れは…
宗派のハイアラーキー(ヒエラルキー)…

『キリスト教』に於いては…
3層のハイアラーキー(ヒエラルキー)があり…
以下の通りとなるよふです…

【最上層】…マリアの福音書(グノーシス主義)
【中間層】…グノーシス主義
【最下層】…キリスト正統派

何故、このよふな『序列』となるのかは…
イエス自身が実際のところ『グノーシス主義者』であったこと…
つまり『エッセネ派』が母体であるからです…

イエス自身…
エジプト、アレキサンドリアの『エッセネ派』…
つまり『ミトラ教』の世界観で育っているので…
明らかに『グノーシス主義』であり…
『旧約・ユダヤ教』の系統ではないのです…
イエスを最初に『キリスト』として認めた『東方三博士』も
『カルデア・マギ(ミトラ教)』によることは良く知られた話です…

また、イエスは…
ユダヤ教の本拠地、パレスチナ、イスラエルで…
一般大衆に対して『布教活動』する際は…
より多くの『信者』を獲得するために…
表向きには『ユダヤ教』を装い、寄生する形で…
『旧約・ユダヤ教』を『パロディー化』し積極的に利用していたのです…
其の『パロディー化』されたものが『キリスト正統派』です…
イエスが一般大衆に対して行なった布教は…
いわば『入門編』のよふなものと考えられます…
簡単に例えて言ふなれば『キリスト正統派』は…
『信ずれば救済される』といふ…
至極、単純な『教説』です…

しかし乍ら一方では…
イエスは実は、一般大衆から見えないところで…
12人の弟子たちに対しては、『秘密結社的』に…
非常に高レベルな『グノーシスの秘教』を説いていたのです…
其れらの『グノーシスの秘教』は『プトレマイオスの教説』や…
『フィリポの福音書』などに散見されます…
『救済』の意味が、途轍もない高度なレベルにあるのです…
実際のところイエスは、裏では『旧約・ユダヤ教』を『冒涜』していました…
『グノーシス』は『物質(肉体)』を憎んでいたのです…
此の世界は『悪魔(サタン)』によって造られたといふ思想を持ち…
更には『世界の終焉』を望んだ宗派でした…

イエスは『一般大衆』と『弟子たち』に対して…
全く別の『教説』を説いていたことになります…

十字架での『磔刑』も、イエスと一般大衆の間での…
『意見のすれ違い』から起こったことなのですから…

イエスには12人の弟子たちがいましたが…
『グノーシスの最奥義』を説いた相手は、たったの一人…
『マグダラのマリア』だけです…
『罪深い女』であるといふ低俗な諸説もありますが…
彼女だけが、本当の意味での『救済』の方法を教わっていた…
『マリアの福音書』の重要性が此処にあるのです…
其れは『グノーシス』の『神智学(マイトレーヤ)』の…
最高レベルの『教説』です…

話が少し逸れますが…
後につくられた『キリスト正統多数派』の『神学』は…
『キリスト正統派』が『グノーシス』を『反駁』することによって
はじめて形成されたものです…

然し乍ら『グノーシス』の方が、圧倒的に高いレベルの
『神智学(マイトレーヤ)』を保持していることは…
明白な事実なのです…

2018.9.23[Sun]
『エーテル』

ジョルダーノ・ブルーノは、思想史または科学史の中に於いて…
単にコペルニクスの理論の受容と支持をした訳ではありませんでした…

ジョルダーノ・ブルーノの高い評価は…
想像力の素晴らしい『飛躍』にあります…

この『飛躍』によって…
コペルニクス主義に『宇宙無限性』の観念を結びつけたからです…

ブルーノは『ヘルメス文書』の…
『プトレマイオスの宇宙像』が表現する…
『中世的閉鎖性』を最終的な形で打ち破り…
より現代的な概念化への道を啓蒙したのです…
(プトレマイオスの宇宙像は、2018.9.15[Sat]『古代の宇宙構造』参照)

ブルーノの世界観は生気論的で魔術的な観点を持ち…
プラトンの思い描く天体に近似しています…

しかし乍らブルーノは…
明快に説明できることが多かった『天動説』を否定し…
『地動説』を説くことになるのです…

宇宙の中心など何処にも存在しないという立場で…
宇宙は無限であると断言しました…

そして宇宙は巨大な『エーテル』の領域から成り立っており…
其の懐に天体は抱かれているのだと述べたのです…

ここで話が少し脱線しますが…

『エーテル』について…
少しばかりの補足をしたいと思います…

其れは『プラトンのイデア論』に遡ります…

プラトンは『グノーシス主義』と同様に…
『肉体』は『牢獄』であると考えていました…
そして更に『アカシックレコード』についても…
深い理解を持っていました…

『アカシックレコード』とは…

元始からのすべての感情、想念、事象が
記録されているという世界記憶のある
事物の概括的で大まかな意味内容であり…

西洋近代神秘学に於いては…
『エーテル』に相当するものなのです…

2018.9.22[Sat]
『わたしのノート』

わたしの個展…
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『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
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…の開幕まで…
残すところあと数日となりました…

準備の方も無事に終えて…
あとは展示会場に搬入を待つのみです…

今年に入り…
5月半ばから約4ヶ月間…
約120点のリトグラフ作品を
制作してきました…
今回は其の中から70点を…
展示する予定…

個展の開催日程、場所などの情報は…
また後日、此のホームページ上で…
ご案内致します…

さて…
本日掲載した画像は…
『わたしのノート』です…

様々な事が書かれていますが…
主に『古代の宇宙構造』について…
わたしが様々な『文献』を読み漁り乍ら…
マルジナリアを付けた箇所を…
ノートに書き出したもの…

まだ内容は不完全な状態なので…
今後、余白に追加で…
書き込まれていくことでしょう…

今回の個展は…
『ジョルダーノ・ブルーノ』の著作…
『傲れる野獣の追放』についての…
わたしなりの解釈を可視化するものとなります…

『ジョルダーノ・ブルーノ』そのものが…
イタリア・ルネッサンス期における…
偉大なる『大哲学者』であるといふ魅力…
非常に寓話的で難解な著作『傲れる野獣の追放』…

此れだけでも非常に壮大なる『無限宇宙』が…
わたしの元へ降りてきたよふに想えます…

イタリアに於いて…
何故『ルネッサンス』が『開花』したかを…
想像し乍ら、読み解く作業は非常に愉しいものでした…

しかし乍ら…
読み解く作業は…
『ジョルダーノ・ブルーノ』だけでは
到底、足りないのです…

遥か『古代の宇宙論』にまで…
思考を巡らせる必要がありました…

其れは『神話』『グノーシス主義』『ヘルメス文書』
『イエス・キリスト』『キリスト正教会』『プラトン』
『密教』『バビロンの捕囚』
『アレキサンドロス大王の東方遠征』
『ミトラ教』『マニ教』『東方三博士』『エッセネ派』
『サナト・クマーラ』など多数…

ちなみに…
『わたしのノート』に…
赤ペンでマーキングした箇所がありますが…

其処が…
今回のわたしの個展のテーマとして取り上げた…
『ジョルダーノ・ブルーノ』の著作…
『傲れる野獣の追放』に該当します…

まだまだ…
様々な『文献』を読み漁る必要があるよふです…

今回の個展が終了したら…
少しの間、筆を置いて…
休息を自分に与え…

『古代の宇宙構造』について…
更に読み解くことも…
良いのではないかと感じています…

幾何学概念の…
『フラクタル(fractale)』のよふな…
『宇宙の神秘(密教)』が…
見えてくるよふな期待もあるのです…
----------------------------------------------
(以下、フラクタルのイメージ動画)
https://www.youtube.com/watch?v=pCpLWbHVNhk

2018.9.21[Fri]
『宇宙論』

ジョルダーノ・ブルーノは…
人間と動物の間の区分に於いて…
具体的な行為に言及することは…
ありませんでした…

『感情』ないし…
『情緒』…
『情念』の…
活動いかんで…

人間は『獣』にも『神』にも…
成り得るといふ思想を持っていた…

ブルーノにとって…
『感情とは紐帯の原理』であり…

人間をさまざまな事物に…
結び、繋ぎ、縛り付けるものであったのです…

ジョルダーノ・ブルーノは…
『輪廻転成』を信じていました…

今回の私の個展では…

特に『輪廻転成』を含めた…
様々な角度からの『宇宙論』が…
散りばめられることになるでしょう…

ジョルダーノ・ブルーノにとっての其れは…
『無限・宇宙・諸世界について』であり…
水、気、火、土…
そしてエーテルの問題があった…

その後…
『傲れる野獣の追放』に於いては…
ユピテルによる道徳的自己改革と…

諸星座追放による…
宇宙の『ミクロコスモス』の
新たなる『自己改革』と『自己形成』の…
プログラムがあった…

此処で話は一気に…
ジョルダーノ・ブルーノから逸れる…

其れは『グノーシス主義』の『宇宙論』へ…

其の中のひとつ…
『プトレマイオスの教説』に於いての『宇宙論』は…
『プレーローマ』出身の『至高神(プロパトール)』であり…

其処から生まれた(流出した)30柱のアイオーン(神々)の中から…
『ソフィア』の過失が起きたのである…

『ソフィア』は父なる神『至高神(プロパトール)』への探求心から
パトス(熱情)に取り憑かれて終い…

自身は『プレーローマ』に留まることが出来たが…
エンテューメーシスとパトスは…
『プレーローマ』から締め出されてしまう…

そして、エンテューメーシスは…
別名『アカモート』と呼ばれるようになる…

その後、ソーテールの力を借りて…
『アカモート』は『デミウルゴス』を産み出し…
『デミウルゴス』によって…
此の『物質世界』は創造された…

『物質世界』は『グノーシス主義』に於いては…
『悪魔(サタン)』の創造による…

其処にはもちろん…
重要な役割を果たす『天使』たちも…
存在しているのだ…

此の『思想』が…
『ルネッサンス』に『魔術』として繋がり…
開花するのである…

この場で…
書きたいことは数多であり…
己の力不足を感ずる…

また日を改めて…
書き綴ってゆこふと思ふ…

以下の動画の14:09あたりでは…
『グノーシス主義』に於ける…
最重要な位置を占める『マグダラのマリア』が登場する…

つまりは『マリアの福音書』である…
------------------------------------------
坂本龍一
『3-3 Light』
https://www.youtube.com/watch?v=RqlItqLTseQ

2018.9.20[Thu]
『紐帯』

ジョルダーノ・ブルーノは…
『芸術とは芸術家の美である』と…
語っています…

いかなる『紐帯』も…
永遠ではなくて…

拘束と解放…
相反と流転の最中にあり…

事物の永遠の条件に先立ち…
ある思想運動に…

ある物理的な系が…
ある特定の周期で働きかけを受けた場合に…
その系がある特徴的な振る舞いを見せること…

積極的に参加はしないが…
協力をする人物が…
存在することを知るのであります…

後続するよふに…
多様化し、多彩化し…

ある一連の続きの中に…
整序して構成されるのです…

この思想を知るにつけ…

私は何故か…
小林秀雄(著)の…
処女作…

『蛸の自殺』に漂ふ…
精神世界を…
思い浮かべるのです…

父の死について書き綴らねられた…
自伝的な…
『蛸の自殺』は…
心に突き刺さる…
必読の名作であると思います…

2018.9.19[Wed]
『ヴェヌス(ヴィーナス)』

ジョルダーノ・ブルーノの著書…
『傲れる野獣の追放』の中で…
『ヴェヌス(ヴィーナス)』について語った言葉…

(以下)
――――――――――――――――――
双子の愛の美しき母、
人間と神々を統べる女神。
世界の生きとし生けるものはみな、
彼女のお陰ではらまれ、
生み出されて、太陽を見る。
彼女が光り輝く東方から姿を現わすとき、
風と嵐は逃げ去る。
静謐な海は彼女に微笑む。
大地は美しい上着で覆われ、
優美な妖精(ナイアス)たちの美しい手で、
多くの葉や花や果実で満たされた
河神(アケロウス)の光沢に輝く角を彼女に差し出す。

2018.9.18[Tue]
『マルシリオ・フィチーノ』

フィレンツェの…
アッカデーミア・プラトニカに於いて…

『ヘルメス文書』をラテン語に翻訳した…
『マルシリオ・フィチーノ』は…

『聖職者』であると同時に…
『医師』でもありました…

かつて…
『イタリア・ルネッサンス期』に於いて…

医学的処方は通常に於いては…
『占星術的理論』に基づいて…
行われており…

『生命の書(Libri de Vita)』は…
フィチーノが医師として連ねた…
三部に分かれた医学論文でした…

この書は特に…
主に学問的研究者の…
健康についてのものであり…

研究に没頭し過ぎることで陥る…
『メランコリア(鬱病)』に…
向けたものであったのです…

フィチーノは…
『占星医学的研究』によって…

健康と快活に役立つ『贈り物』について…
多くの言葉を熱心に語っています…

フィチーノは…
恩恵を与える星辰の影響力を…
『三美神』に見い出します…

其れは…
『命の養い手であるヴェヌス(ヴィーナス)』に従って…
緑なす野辺を彼女と共に…
そぞろ歩くことを勧めるものであり…

サンドロ・ボッティチェッリの…
『春(プリマヴェーラ・Primavera)』の…
世界のことなのです…

2018.9.17[Mon]
『無限世界と火の中に』

絶対の叡知…
ポイマンドレース…

少女の生命の呼びかけに…
此の狭い路地を全て考へるなんて…

無限空間が光に満たされ…
やがて闇が顕れ出て…
純粋なる火のよふなものが吹き出すと…

光はひとつの聖なる言葉を発し…
高きものを目指し上昇する…

路地は月と星々で明るく…
世界は輝き静かなり…

異議を唱へれば…
其れは白銀のルーペの元で…
条目も見えず…

少女はあたりを見回して…
絶大なる威力に包まれた無限世界と火の中に…
生命であり光である理性と…
第二の理性デミウルゴスが生ずるのを知る…

希望は心の中にとまる…

つま先立ちして窓の外…
美しい焦点装置を手に取り乍ら…

諸々の力の感情の積荷を…
決して休むことなく…
眺め続ける…

2018.9.16[Sun]
『美の多様性』

ジョルダーノ・ブルーノは…
『美の多様性』について…

何らかの…
『シンメトリー』から成っていると…

また、物体的な自然の内側に…
非物体なもの其のものが…
認識されることによって…

成立していると…
考えていたよふです…

其れらはおそらく…

生命の本質は…
外部マトリックスと…
内部マトリックスが形成する…
天地のピラミッドの景色が…
あるといふことでしょうか…

高次元のピラミッドと…
地上のピラミッドは…

鏡像関係にあり…

上位の地球は…
大空間の中の生命(炎)であり…
緑の中の赤…
太陽神殿…
宇宙の炎…

下位の地球は…
大地の中の結晶空間(アメンティー)であり…
赤の中の緑…
月の神殿…
宇宙の水…

そして…

宇宙のイデア的秩序と…
新しい大地の秩序の…
相反関係…

其れらは多数であり…

無数の社会の諸要素が…
相互に一定の関係、規則によって結びつき…
調和を保っている状態から…
生じているのです…
------------------------------------------
坂本龍一
『3-3 Light』
https://www.youtube.com/watch?v=RqlItqLTseQ

2018.9.15[Sat]
『古代の宇宙構造』

此の参考図は…
古代の『宇宙構造』を現している…

『地球』を中心に…
天界が回っている…
『天動説』である…

『地球』の上には…
『月下界』の層が…

さらに其の上には…
『7つの遊星天』と…
『第8の恒星天』に区分される…
『星辰界』と呼ばれる層が存在している…

更に其れを超えた…
最も高い層には…
『神(叡智界)』があるのだ…

それぞれの層の特徴としては…
最も下にある『地球』は…
『混沌』としており…

『地球』よりも…
上層に行けば行くほど…
整然と『秩序』は際立ってゆく…

そして…
最も上層の『叡智界』が…
神の世界である…

然し乍ら…
『グノーシス主義』は…
『恒星天』以下は…
偽りの神(悪魔)が作ったのだ…
『叡智界』の元に…
上昇しなければならないといふ…
思想を持っていたのである…

此れが『イタリア・ルネッサンス』に…
多大なる影響を及ぼした『魔術』である…

逆に…
『キリスト正教会』は…
プラトンのイデア論(ネオプラトニズム)の元にあった…
つまりは此の世界を含めて…
『善なる神』が創造したといふ…
思想を持っていた…

此処に『グノーシス主義』と…
『キリスト正教会』の…
大きな『乖離』があったのである…

『グノーシス主義』を…
こよなく信奉した『ジョルダーノ・ブルーノ』が…
『キリスト正教会』から『異端』とされ…
火刑されたのは…
其処に大きな理由があったのだ…

では…
『グノーシス主義』は…
一体何を信奉するといふのか…

其れはこの世界の外…
あるいは上に存在している…
いわば『上位世界』…
そして其処に位置している…
『至高神』である…

人間の霊魂も…
元々は此の上位世界…
『プレーローマ』の出身であり…

現在はこの世界(地球)に…
物質的な『身体』を持って…
『幽閉』されている形式であると…
唱えたのである…
-------------------------------------------------------------------------
『Roma』
https://www.youtube.com/watch?v=_bW-Hrhf00Y&frags=wn

2018.9.14[Fri]
『叡智』

私は自ら作品を制作する傍…

様々なアーティストの作品を…
『所蔵』してもいる…

アルブレヒト・デューラーの…
再来と言われた天才素描家
『ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)』の版画作品…

また…
喜多川歌麿や…
歌川国虎の『浮世絵』…

池田満寿夫、織田廣喜、
大学時代の恩師の作品など…

その他にも数多…

此れらの作品の持つ叡智は…
あまりに大きく…

真実はあまりに
複雑である…
-------------------------------------
『Roma』
https://www.youtube.com/watch?v=W4O1yFqbdss&frags=wn

2018.9.13[Thu]
『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』

四大のひとり…
タトが復活を経験した時…
ヘルメス・トリスメギストスは…
彼を天幕の外へ連れ出します…
この天幕は『黄道十二宮の円陣』に基づいて造られています…

また話は変わり…

天空の支配者はユピテル…
彼の占める位置は…
天空と大地の中間にあたります…
太陽が他の星々を…
神聖と聖性によって照らし出します…
神々の位階の次の位置には『三六柱の神々』…
ホロスコープが各々の種の個体に…
其れ特有の形態を押印します…

此処まで書き綴ったなかに出てきた
『黄道十二宮の円陣』と『三六柱の神々』…

12+36=48

其れが…
今回のわたしの個展のテーマの中核なのです…
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『ジョルダーノ・ブルーノの48区分の星座浄化』
ユピテル神の道徳的自己改革、そして悪徳を象徴する外部の諸星座追放の物語。
------------------------------------------------------------------------
此処に在る『48区分』とは…
此のよふな意味があります…

そして…
『ヘルメス文書』や…
『ジョルダーノ・ブルーノ』における…
『星座』における魔術の領域は…
『占星術一般』とは…
根本的に異なる世界なのです…

フランセス・イエイツ(著)が…
此れらのことについて書いた文献があります…
今日は其れから一部抜粋して紹介することとします…
(以下)
------------------------------------------------------------------------
護符については第三書に至って初めて言及される。
この第三書は『天上より導かれるべき生命』と題されている。
その第一章はある種難解な哲学的教理の開陳から始まる。
それは周知の三分割、つまり知性と魂と身体の三部構成に基づいていて、
このこと自体ははっきりしている。
しかしこのことを別にすれば、
やはり何かしら混乱させるものがそこにはある。
まず世界の知性、世界の身体というものがあって、
両者の間に世界の魂があるとされている。
神的な精神(メンス)つまり知性の中にはイデアたちが内在する。
一方世界の魂の中には『種子的理性』があって、
その数は精神の中のイデアたちの数に等しく、
それらのイデアに照応ないしそれらを反照している。
そしてこの魂の中の『種子的理性』に
世界の物質ないし身体におけるさまざまな種が照応している。
種は根拠に対応し、あるいは依存し、それらによって形成される。
物質の纏う形態としてのイデアが衰えてくると、
それは『中間の場』で再生することができる。
この再生は衰えた当該の形態が依存している
すぐ上の下位の形態とは調和的に符合している。
この符合をゾロアスターは神的な連結と、
シュネシウスは魔術的呪縛と呼んでいる。
こうした結合は星々とその神霊たちというよりは
むしろ世界の魂に依存している。
そしてこの魂は至るところに現前している。
それゆえ『より古い時代のプラトン主義者たち』は
さまざまな図像が天界にあると考えた。
つまり四八の星座の図像がそれであり、
其の中の十二は黄道帯上に配され、
残りの三六はその外にある。
黄道十二宮の三六の『相』もこうした図像に含まれる。
このように整序された天上の諸形態に、
より劣った地上の事物たちの形態は依存している。

2018.9.12[Wed]
『アクタイオンの死』

本日掲載の画像は…
イタリアの巨匠『ティツィアーノ』によって描かれた…
『アクタイオンの死』といふ題の…
油彩画作品です…

古代のギリシャからローマにわたる…
『アクタイオンの神話』に基づくものです…

アクタイオンは狩人です…

狩猟の最中に偶然にも…
水浴中であった…
『女神アルテミス(ディアナ)』の…
裸身を見て終い…
アクタイオンは『鹿』に変えられ…
自らの猟犬に喰い殺されてしまふのです…

古代ギリシャ起源のこの神話は…
とりわけ…

オウディウスの『変身物語』に詠われたことにより…
ヨーロッパ文化に深く刻まれることになるのです…

複数の異伝があったにせよ…
この『変身物語』は…
『傲慢な人間の挫折の寓話』として理解されていました…

然し乍ら…
ジョルダーノ・ブルーノによれば…
『アクタイオンの死』が意味しているのは…

『神的な知恵』の狩猟…
神的な美の把握を志向する『知性』なのです…

ブルーノによれば…
『アクタイオンの死』は…
挫折を意味しないのです…

それどころか『アクタイオン』は…
探求が成し遂げられ…
『神々の生』にも比される至高の生に…
到達しているのです…

2018.9.11[Tue]
『無産市民(プロレタリア)』

此れは…
紀元前の話である…

古代ローマ共和政に於いて…
都市国家から地中海全域に…
領域を拡大する争いが続き…

その結果として…
大土地所有制『ラティフンディウム(羅語:latifundium)』と…
奴隷制が広がって貧富の格差が拡大し…

市民層の中に土地を失って…
没落する者達が現れてきた…
其れを『無産市民(プロレタリア)』といふ…

一方のラティフンディウムは…
属州の拡大に伴い其れを纏めて率いることで…
不当な利益を蓄積することができ…
その富によって大土地経営を行った…
イタリア各地の大放牧場での牧畜や…
大農園での穀物生産、ブドウ生産、オリーブ生産などである…

本日は…
プロレタリア文学の代表的作家…
小林多喜二の著作…
小料理屋『やまき屋』から…
抜粋することとする…

小林多喜二にも
『相反と流転』の精神が流れている…
-----------------------------------------
(以下)
闇があるから光がある。
そして闇から出てきた人こそ、
一番ほんとうに
光の有難さが分かるんだ。
世の中は幸福ばかりで
満ちているものはないんだ。
不幸というものがあるから、
幸福ってものがある。
そこを忘れないでくれ。
だから、俺たちが
本当にいい生活をしようと思うなら、
うんと苦しいことを
味わってみなければならない。
-------------------------------------
『Roma』
https://www.youtube.com/watch?v=p_e3yWI_NHA&frags=wn

2018.9.10[Mon]
『イタリア・ルネッサンス』

ギリシャとオリエントの間に生まれた…
二つの文化的伝統は…
『ヘレニズム文明』として融合開花します…

其れは丁度…
『日本』に於いて…
『稲作』文化が始まった頃…

そして…
『アレクサンドロス大王の東方遠征』と…
同じ頃のことなのです…

其の文化的運動は『ヘレニズム』から…
ローマへ伝わり普遍化し…
ヨーロッパ文明のみならず…

北アフリカ、中東、中央アジアに至る…
広大な領域で…
此の『ヘレニズム文化』の…
『洗礼』を受けることとなります…

『ヘルメス主義』は…
其の『ヘレニズム文化』の『落胤(らくいん)』であり…
『オカルト的伝統(魔術、占星術、そして錬金術)』の…
理論体系の根本を支えた思想なのです…

『ルネッサンス』が…
イタリアに於いて開花した時…

『ヘルメス文書』は紀元前の遥か遠い昔に於いて…
此の世の全ての知識を司る偉大なる賢者…
『ヘルメス・トリスメギストス』によって…
書き連ねられたものだと信じられていました…

当時…
其のことについては誰一人として…
疑ふ者はいなかったのです…

つまりは…
ヘルメス・トリスメギストスの…
『ヘルメス文書』によって…
『キリストの誕生』も予言されていたと…
信じられていたのです…

しかし乍ら実際のところ『ヘルメス文書』は…
紀元2〜3世紀頃に『編纂』されたものが実に多く…
作者が誰なのか『謎』であることが少なくありません…

つまり…
『ヘルメス文書』は…
ポセイドニオス(著)による…
『ポイマンドレース』(B.C.135〜A.C.51)に…
遡ることはあるにしても…

其の他は…
おそらくはアレクサンドリアを中心としたエジプトの神官…
学者といった知識層によって生み出されたものと考えられています…

『ヘルメス主義』といふ宗教思想が…
思想的な集団として…
『学派』を形成したのが有力な説です…

『ヘルメス文書』は大きく分けて…

『ペシミスト(あるいは二元論者)』としてのグノーシス主義にとっては…
物質世界は星々の宿命的な影響に深く浸潤されていて…
其れ自体として悪しきものといふ『厭世的思想』と…

『オプティミスト』としてののグノーシス主義にとっては…
物質は神的なものを孕んでいるから…
地球は神的な生命を得て生き…
自然のどの部分を切り取っても…
善ならざるものは存在しないといふ…
『楽観的思想』とが綯い交ぜになっています…

此れが『イタリア・ルネッサンス』に…
凄まじい『カウンター・カルチャー』を…
与えることになったのです…

ショルダーノ・ブルーノは…
『ヘルメス文書』を…
一体どのよふに捉えていたのでしょう…

以下に紹介する動画には…
『無限宇宙』を唱えた…
『ジョルダーノ・ブルーノ』の…
力強い視点があるよふに想えます…
-------------------------------------
『Roma』
https://www.youtube.com/watch?v=E0KMT1WvocY&frags=pl%2Cwn

2018.9.9[Sun]
『ディオ・デ・ラ・テッラ』

ルネッサンス期のヨーロッパに於いて…
人間のことを『ディオ・デ・ラ・テッラ(dio de la terra)』…
つまり『地上の神』と呼ぶ思想がある…

『手』を持った人間が…
一方で人間を『他の動物たち』から峻別し…
他方で『神』へと結びつける思想は…
取り立てて特異なものではなかった…

ジョルダーノ・ブルーノも…
『ディオ・デ・ラ・テッラ』について触れてはいるものの…
人間と動物の差異を『手』の有無のみに求めるだけでは…
充分ではなかったと考えていたのである…

ブルーノによれば…
人間ではない他の多くの動物たちは…
人間以上の『才知と知性の光』を持ち得ると語っている…

ブルーノは…
人間と動物との差異は…
実体にではなく『活動』に基づくため…
たとえ『手』を持っていたとしても…
其の『手』を用いて活動しなければ『差異』は生じない…
更にはそれを『持続』しなければ…
其れ自体を『維持』できない…
其々の身体に根ざし乍らも…
いかに『行為』し『活動』するかが…
重要であると説いている…

さらに、ブルーノにあっては…
人間と動物の区別を論ずる際には…
『思考』よりも『感情』が語られる…

つまり…
熱意を持って獣的な存在からますますいっそう遠ざかろふと…
いっそう高く神的な存在へと近づこうと…
其の多様性、神のごとき自由を獲得していく…
『感情』を触発される過程にあると…

此処にブルーノの『人間の尊厳』への…
特異な着眼点があるのだ…

ジョルダーノ・ブルーノは…
『ソクラテス』のことを例に挙げて…
ソクラテス哲学が…
たゆみない哲学の研究によって鍛錬されたといふこと…
そして、自然の不調和の猛々しい波に対抗する…
牢固たる舵があることを指している…

ちなみに…
ソクラテスの哲学は…
プラトン(著)の『パイドロス』に…
立ち現れている…

2018.9.8[Sat]
『不屈』

日本列島…
北は『北海道』…
南は『沖縄県』…

本日は『沖縄県』について…

太平洋戦争末期…
沖縄諸島に上陸した米英軍を主体とする…
連合国軍と日本軍との間で行われた…
悲惨な『沖縄戦』…

終戦後…

『米軍による占領』に対する『抵抗運動』を実行した…
『瀬長亀次郎』のことを想い浮かべて終う…

『瀬長亀次郎』は戦後の沖縄に於いて…
途轍もない『不屈』の精神を持って…
『米軍』に立ち向かった偉大なる人物である…

昨年の夏、わたしは…

『瀬長亀次郎』の人生を紐解いたドキュメンタリー映画を
監督・製作した『佐古忠彦』氏と…
『瀬長亀次郎』の娘である『内村千尋』氏と出逢い…
言葉を交わしたのである…

其れは『復興』についてであった…
-------------------------------------------------------
『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(佐古忠彦/監督・製作)
https://www.youtube.com/watch?v=rcRTzs9Og4k&frags=pl%2Cwn

2018.9.7[Fri]
『魔術の対話』

けれども私は其の暗闇の中で静かに立っていて
揺れる大地から天へと続く

其れら全ての凍った痛みが混淆され
炎によって昇華されゆく様を
光輝の音のよふにはっきりと
ごく普通の意味に於いて抱きしめ乍ら
言葉の記号として照応しよふと努めます

エメラルド・タブレットが大地のもとで溶けています

どうすれば分かるのだろうか

両目を隠して我が身に宇宙も着けて
お互いに語り合いました
私はいつもこふしているのです

つつましいお客が花を連れて
手紙を引き出しては読んでいます

魂の素晴らしい瞬間は
緩慢なまばたきの天幕の外にあるよふです
其れは黄道十二宮の天使の円陣に基づいています

此のよふに物質の懲罰は実際には
諸星座たちの感応霊力のなかに於いて起こり
復活の経験に於いては神的な力としての
美徳が其れにとって変わります

天界の物質的な重みによって
拘束されていた魂は解放されます

あまねく四大に向かって
賛歌を唱い聴かせるのです

(注)『四大』=ヘルメス・トリスメギストス、アスクレピウス、タト、ハモン

2018.9.6[Thu]
『平成』

今朝知った『北海道地震』…

故郷を襲った…
『東日本大震災』を想い出す…

北海道には…

大川小学校時代の同級生も移住しているし…
知人、そして共に仕事をする人々も…

今此の瞬間も…
どれだけ不自由で…
不安な時を過ごしているかと想ふと…
胸が痛むばかりである…

今年は自然災害が多すぎる…

平成30年豪雪…
草津白根山噴火…
平成30年7月豪雨…
大阪府北部地震…
島根県西部地震…
記録的猛暑…

そして本日の『北海道地震』…

地平かにして天成る…
内平かにして外成る…

どふか…
『平成』でありますよふに…

2018.9.5[Wed]
『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス文書』

非常に寓話的であるので…

読むのに難儀する
ジョルダーノ・ブルーノの著作…

『傲れる野獣の追放』は…
既に読了しており…

今現在…
わたしは『ジョルダーノ・ブルーノ』と…
『ヘルメス文書』に関する諸文献を…
読み解いている最中…

此れが膨大な頁数となるので…
暫くの間は此れに…
没頭することになりそふだ…

いずれにせよ…
これらの著作は…

『ギリシャ哲学』の要素を多分に含んでおり…
『プラトニズム』と『ストイシズム』の混成哲学であり…

それにまた幾分かは『ユダヤ教』と
『ペルシアの宗教』の影響も混入している…

『魔術師(マグス)』たちにより
『古代の叡智』が…
『ルネッサンス』の表舞台に立ち現れる…

『ヘルメス文書』が…
『ルネッサンス』の時代に生きた…
読者たちに与えた…

甚大なる『衝撃』といふものに…
少しでも近づいてみたいのだ…

まさに…
『自由への飛躍』(Salto verso la libertà:伊語)である…

2018.9.4[Tue]
『科学認識論』

フランスの哲学者、科学哲学者である
『ガストン・バシュラール(Gaston Bachelard)』…

バシュラールの著書に最初に触れたのは
25年以上前のこと…
『火の詩学』であったと記憶している…

尚、バシュラールの客観的認識の精神分析には…
アンリ・ベルクソンに通ずるものがある…

其れは『科学認識論』の問題は
障碍物の言葉で提起しなければならないといふ
信念に行き着くからである…

実在に於ける認識は
常に幾分かの影を投げる光の中にある…

実在は決して『信じることができるもの』ではなく
常に『考えなければならなかったもの』である…

精神は科学的教養に其の姿を現わす際に於いては
決して若くはなく、非常に年老いてさえいる…

何故ならば…
精神は自分の『偏見の年齢』を所持しているからである…

ベルクソンは…
此のよふに述べている…

(以下)
------------------------------------------------------
われわれの精神は、自分に最もしばしば役立つ観念を
より明瞭なものとみなす、抵抗しがたい傾向を持っている…
------------------------------------------------------

2018.9.3[Mon]
『歌』

此の作品は既に…
個人所蔵されたものである…

マテリアルとして
猫の頭骸骨を…

話は変わり…

無学なわたしが…
ジョルダーノ・ブルーノについて
詠んだ歌…
(以下)

宇宙まづ無限なること覓(たの)む
つぎに荊棘の炎得まぬがれむ術なきこと嘆く
然しまたその受難迎へ取るにて
かの僅かなる真実なる鎮静もがな
心健(したた)かになりまされば
魔術の上昇と改革をか齎(もたら)す

2018.9.2[Sun]
『倒れた者のある風景』

ジョルダーノ・ブルーノが火刑された…
『カンポ・ディ・フィオーリ(Campo de' Fiori)』は…
『花の広場』の意味…

『ファルネーゼ宮殿(Palazzo Farnese)』の…
北側に位置する…

『カンポ・ディ・フィオーリ』は…
中世時代にローマでも…
最高の人口密度を数えるほどに…
栄えた…

『カンポ・ディ・フィオーリ』は…
『パンテオン(Pantheon)』からも…
歩いて10分ほどである…

2018.9.1[Sat]
『心と身体』

本日は…
『アンリ・ベルクソン(Henri-Louis Bergson)』著の
『物質と記憶』から一部抜粋することとする…

端的に言えば…
精神(魂)とは何処に存在しているかと問ふことは…
意味を成さないといふことなのだ…
此れこそ自明の真理である…

(以下)
-------------------------------------------
『心と身体』〜(一部抜粋)

精神の最低の役割すらも
事物の持続の継起的諸瞬間を結びつけることであって、
精神が物質と接触をもつのはこの操作においてであり、
また物質から区別されるのもこの操作によってであるとすれば、
完全に発展した物質と精神との間には無数の段階があり、
精神はたんに不確定なばかりでなく
理性的で反省的な行動の能力があると考えられる。
生活の強度の増大を示す尺度であるこれらの継起的段階の各々は、
持続のより高度な緊張に照応し、
感覚運動系統のいっそうの発達を通して外にあらわれる。
そこで、この神経系について考えてみると、
増大するその複雑性は、
生物の活動にますます大きな範囲を許すように見え、
反応するまえに待つ能力、
受け取った刺激をますます豊かな運動機構の種類と
関係づける能力をあたえるように見えるであろう。
しかしこれは外面にすぎず、
物質にたいする生活体のいっそう大きな独立性を
確保するように見える神経系の組織の複雑化は、
まさにこの独立性そのものを物質的に象徴しているにすぎない。
この独立性とはすなわち、
存在が事物の流れのリズムから自由になって、
ますます深く未来に働きかけるために
ますます過去を保持することを可能にする内的な力であり、
つまるところは、私たちがこの言葉にあたえる
特殊な意味において、記憶力なのである。
このようにして、ただの物質と、もっとも反省能力に富む精神との間には、
記憶力の可能なすべての強度、あるいは同じことになるが、
自由のすべての程度が存在するわけだ。
第一の仮説、すなわち心身の区別を空間の言葉で言いあらわす仮説においては、
身体と精神が、直角に交差する二個の鉄道のようなものだ。
第二の仮説では、レールは曲線に沿うて接続しているわけで、
知らず知らずの内に、一方の鉄道から他方へと移っていくことになる。
(中略)
このようにして、物質の過去はまぎれもなく
その現在のうちにあたえられている。
しかし多少とも自由に進化する存在は、
刻一刻新しいものを創造する。
だから、もし過去が記憶の状態でその中に沈殿しているのでないとしたら、
その現在の内にその過去を読もうと努めても無益であろう。
このようにして、本書ですでにいくたびか出てきた
比喩をくり返すならば、同様な諸理由によって、
過去は物質によって演ぜられ、精神によって思い浮かべられるのでなくてはならぬ。
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『アンリ・ベルクソン(Henri-Louis Bergson)』
https://www.youtube.com/watch?v=FgnuZccKKJw&frags=pl%2Cwn



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